AI導入コンサルの選び方|安さで失敗した私が見る3つの確認点
AI導入コンサルは、提案書と料金だけでは選べません。月5万円の安さで発注し、使えないものを納品された私の失敗をもとに、頼む前に決めることと、固定価格と月額の選び方を説明します。確認するのはサンプル、連絡の質、納品後の話の3つです。コンサルに頼まなくていいケースも紹介します。

AI導入コンサルを探すと、提案書の見栄えも料金も、会社によって違います。どこを見て選べばいいのか、そもそも頼む必要があるのかが分かりません。ここで迷って、結局何も始めない経営者を何人も見てきました。
私はいまAI導入を支援する側にいますが、その前は自分の事業のシステム開発を外注する側で、何度も失敗してきました。安さで選んで使えないものを納品されたこともあれば、条件をあいまいにしたまま任せて行き詰まったこともあります。
この記事では、私の失敗から学んだAI導入コンサルの見分け方と、契約の形の選び方を説明します。あわせて、頼まなくていい場合についても紹介します。
要約
- AI導入コンサルの良し悪しは、提案書の構成や料金からは分かりません
- 頼む前に「減らしたい作業」を1つ決めておき、小さなサンプルが提供されるか、連絡の返事が具体的か、納品後の話をするかの3点で見分けます
- 範囲がはっきり決まる仕事は固定価格、動かしながら育てていく仕事は月額というように、契約の形は仕事の性質で選びます
提案書と料金だけでは、良いAI導入コンサルか分からない
| 外から見えるもの | 判断材料になるか |
|---|---|
| 提案書の構成 | どこも似ていて差がつかない |
| 料金の高い安い | 安い理由も高い理由も外からは見えない |
| 感じの良さ | 納品後の対応とは関係がない |
AI導入コンサルの提案書は、どれも似た構成です。現状の分析、ツールの選定、導入の支援、定着までと並びます。書いてあることで差はつきません。
料金も判断材料になりにくいです。安い会社は安いなりの理由があり、高い会社が良い結果を出すとは限りません。外から見える情報だけで選ぶと、ほぼ運頼みになります。
もうひとつ厄介なのが、頼む側に判断の基準がないことです。何ができれば成功なのかを決めていないと、提案書のどこを見ればいいのかも分かりません。結果として、感じの良さと費用の安さで決めることになります。
関連: AI導入支援とは何か|4つの形と、見積書で確認する5か所 で詳しく解説しています。
費用の安さで選ぶと、事後対応で結局割高になる
| 安さの裏で削られていたもの | 起きたこと |
|---|---|
| 技術をまとめる人の経験 | 初期の試作品が出てこない |
| 品質を確かめる担当 | 動くが現場で使えないシステムが納品される |
| 連絡の質 | 手直しの費用と時間があとから発生する |
私はAI支援を仕事にする前、自分の事業のシステム開発を月5万円という安さに惹かれて発注したことがあります。結果は、初期の試作品すら出てこないまま、「動作はするが現場では使えない」ものが納品されました。
原因ははっきりしていました。技術をまとめる人に経験がなく、品質を確かめる担当がいなかったことです。安い理由は、そこを削っていることでした。その後の手直しに費用と時間がかかり、最初から相応の金額を払ったほうが安く済んだ計算になりました。
この経験から、外注先を選ぶときにいちばん重視するのは、価格ではなく連絡の質になりました。質問に対する返事が具体的か、分からないことを分からないと言うかを確認します。ここで手を抜く相手は、納品後も手を抜きます。
AI導入コンサルは、頼む前の準備と見分け方で決まる
| 手順 | 中身 |
|---|---|
| 1 頼む前に決める | 減らしたい作業を1つ決める |
| 2 相手を見分ける | サンプル、連絡の質、納品後の話の3点 |
| 3 契約の形を選ぶ | 範囲が決まる仕事は固定価格、育て続ける仕事は月額 |
AI導入コンサルを選ぶ手順は、大きく3つに分かれます。頼む前に自社で決めること、相手を見分ける確認点、そして契約の形です。
頼む前に決めるのは、AIによってどの業務の何を減らしたいのかです。「問い合わせの返信にかかる時間を半分にしたい」程度で十分です。これがないと、提案書を評価できません。
見分ける確認点は3つあります。最初に小さなサンプルが提出されるか、連絡の返事が具体的か、納品後の話をするかです。契約の形は、固定価格か月額かを、仕事の性質で選びます。
関連: AI導入の進め方|中小企業が何から始め、どう定着させるかの全体像 で詳しく解説しています。
3つの手順を、それぞれどう進めるか
| 確認点 | 良い兆候 | 避けたほうがよい兆候 |
|---|---|---|
| サンプル | 最初に小さく出して品質を確かめる | 全体契約を急ぐ |
| 連絡の質 | 制約まで具体的に返ってくる | 「対応可能です」だけ |
| 納品後の話 | 自分から見直しの話が出る | 納品で話が終わる |
手順1 頼む前に、減らしたい作業を1つ決める
AI導入で減らせる作業は、会社ごとに違います。飲食店なら予約と問い合わせの対応、美容院なら予約の受付、個人のサイトなら記事作りなどです。自社で減らしたい作業を1つ決めてから、コンサルに会ってください。
決まっていれば、提案書の中身を「この作業は減るか」で確認できます。決まっていなければ、相手の提案に流されてしまいます。
手順2 3つの確認点で見分ける
1つ目は、最初に小さなサンプルを出してくれるかです。初期のサンプルで品質の基準を確かめ、直す点を文書に残すようにしましょう。サンプルを出さずに全体の契約を急ぐ相手は、避けたほうが安全です。
2つ目は、連絡の返事が具体的かです。質問に対して「対応可能です」としか返ってこない相手と、「その場合は〇〇という制約があります」と返ってくる相手では、後者のほうが仕事も具体的です。
3つ目は、納品後の話をするかです。納品後の提案が自然に出てくる相手なら、信頼できます。納品後の進め方がはっきりしない相手なら、失敗の確率が高くなります。最初の打ち合わせで、納品後の話が出るかどうかをチェックしましょう。
手順3 固定価格か月額かを、業務で選ぶ
AI導入の範囲がはっきり決まる仕事は、固定価格が向いています。マカティの携帯ショップを支援したときは、範囲を2つに絞りました。Messengerに届く定型の問い合わせにタガログ語、英語、日本語で自動返信する仕組みと、Facebook投稿の文章と画像をAIで作る仕組みです。費用は約3万ペソと先に決め、2週間から4週間で納めています。範囲が決まっていたので、途中で金額が動くことはありませんでした。
一方で、動かし始めてから直し続ける仕事は、月額が向いています。ITに詳しくない50代の方の会員制サイトでは、一人で回せる形にするまでを最初の仕事とし、その後は月額で保守と相談を続けています。
作って納めたら終わる仕事は固定価格、動かしながら直し続ける仕事は月額というように、仕事の性質で契約の形を選びましょう。
関連: フィリピン外注の常識が変わる|AI再教育1万人発表と日系企業の対応 で詳しく解説しています。
AI導入コンサル選びでよくある失敗例
| 失敗例 | どうするか |
|---|---|
| 安さで選び、初期試作もなく契約する | 安い理由が何を削っているか先に聞く |
| 減らしたい作業を決めずに提案を聞く | 1つでいいので先に決める |
| 条件をあいまいにしたまま任せる | 作り方と判断基準は会社側で決める |
| 納品時点で関係が終わると思う | 納品後に誰が見直すか契約前に決める |
失敗例:安さで選び、初期試作もないまま契約します。私は以前、自分の事業でこれをやり、動くが使えないシステムを納品されました。安い理由が何を削っているのかを、先に聞いてください。
失敗例:AIで減らしたい作業を決めずに、提案を聞きに行きます。物差しがないので、感じの良さと費用の安さで決めることになります。1つでいいので、先に決めておくことです。
失敗例:条件をあいまいにしたまま「あとは任せる」と言います。どう作るかと何を基準に判断するかは、会社側で決めておく必要があります。ここを曖昧にすると、相手は想像で埋めるしかありません。
失敗例:納品時点で関係が終わると思っています。AIの仕組みは、条件や環境が変わるたびに修正が必要です。納品後に誰が見直すのかを、契約前に決めておきましょう。
よくある質問
Q: コンサルを頼まずに、自社でAIを導入することはできますか。
A: できます。減らしたい作業が1つに絞れていて、社内にITの担当者がいるなら、AI導入コンサルは要りません。頼む価値があるのは、何から始めるか決められないときと、社内にAI担当者がいないときなどです。
Q: 費用の目安はどのくらいですか。
A: 範囲で変わります。私が支援した事例では、問い合わせの自動返信だけなら約3万ペソ、サイトの作り直しを含めると約23万ペソでした。先に範囲を決めないと、見積もりは出ません。まず手順1を済ませてから、金額の話に進んでください。
Q: 提案書のどこを見ればいいですか。
A: 自社が減らしたい作業が、その提案で本当に減るかどうかだけを見てください。構成の立派さや、ツール名の多さは判断材料になりません。AIで減る作業と、減った時間の使い道が書いてあれば、信頼できる相手です。
まとめ
AI導入コンサルの良し悪しは、提案書と料金からは分かりません。まずはAIで減らしたい作業を1つ決めて、3つの確認点で相手を見分けましょう。
安さで選んだ失敗は、私自身が経験しています。削られていたのは、技術をまとめる人と品質を確かめる担当でした。その分は、あとから必ず払うことになります。
まず、自社で減らしたい作業を1つ書き出してください。それを持って相手に会えば、提案書の読み方が変わります。何から決めればよいか迷う場合は、無料相談をご利用ください。
参考・出典
- 総務省「情報通信白書 令和7年版」: https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/r07.html
- 情報処理推進機構(IPA)「DX動向 企業等におけるDX推進状況調査分析」: https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/index.html
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